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一期一会に感謝して【獣医師 酒井 麻衣】 2008年4月入社、2019年3月退職

こんにちは。
獣医師の酒井麻衣です。
この度、2008年からお世話になりました
「アンドレ動物病院」を2019年3月末をもちまして
退職することとなりました。

11年という長きに渡り、アンドレ動物病院の
獣医師として働かせていただいたことに
感謝の気持ちでいっぱいです。
振り返ると、本当にたくさんの人との出会いがありました。


私がアンドレ動物病院を知るきっかけは、
大学時代の研究室の友人が
エキゾチックアニマルの診療をしている病院が 
宇都宮にもある 
と教えてくれたことでした。
栃木県出身の私は、就職をするなら
その近辺にしようと思っていました。
ですが、当初私は
犬猫のみを診ている動物病院に
就職しようと考えていたので、
アンドレ動物病院のことは知りませんでした。


エキゾチックアニマルの診察って
一体どんなものだろう。
そもそも そんなに小さな生き物たちを
どうやって診察するのだろうか・・・。


私は小さい頃、家で色々な生き物を飼っていました。
犬猫はもちろん、鶏、ハムスター、十姉妹、セキセイインコに金魚。
犬や猫は病院に連れて行くことはありましたが
小鳥やハムスターを連れて行ったことはなく、診てくれる病院も
今よりずっと少なかったと思います。
もし近くにそんな動物病院があったら、
もっと飼っていた子たちに
出来ることがあったかもしれない。


そんな気持ちから アンドレの病院実習に臨んだのですが、
当日、病院に来てまず驚いたことが、
犬猫と同じくらい
たくさんのうさぎやフェレット、
ハムスターに小鳥が
診察に訪れていることでした。
実習は毎日が新しい発見ばかりでした。

小さな子たちを診るために
いろんなものが工夫され、
時には手作りの装置を使っていたり、
保定の仕方も様々で、いかにストレスを加えず
素早く処置するかなど、獣医師と看護師が
協力して診察に当たっていました。
そして何より印象的だったのが、
院長が飼い主さん目線で
いつも物事を考えていたことでした。
そんなこと、当たり前じゃないか、
と思うかもしれません。


動物病院の実習では大抵、どんな設備があり、
どのような診療ができるのかを
説明するのですが、
院長は如何に飼い主さんに分かりやすく、
且つ客観的に説明し、どうコミュニケーションをとっていくかの
大切さを、学生の私にも 丁寧に教えてくれました。
その時私は、
「ああ、こんな動物病院に来て診てもらいたいな」
と 心から思いました。
実際に、動物病院では、
そういう一つ一つの心掛けが
飼い主さんとの信頼関係を築くだけでなく
飼っている子たちの
ちょっとした変化に気付き、
一つの命を守ることにも繋がるのです。


そんな実習を経て、縁あってアンドレ動物病院に就職が決まり、入社したのですが、
順風満帆、とはいきませんでした。
小さな動物さんたちは、時に急に体調が変化することがあります。
自分の未熟さゆえに、そのサインに
気付いてあげられないこともありました。
自分にできることはなにか、
その子と家族にとって何がベストなのかを
模索する毎日でした。
そんな日々の中で、私が目指した獣医師は、
ペットとして家族に迎えられた日から、
最期の時まで
身近で見守っていけるような獣医師でした。


動物病院なので、様々な病気や悩みを抱えた子が来院します。
私自身も悩み、考え過ぎたり、
落ち込むようなこともありました。
ですが、元気をもらうのもまた、
来院される子や、そのご家族からでした。


ずっと下痢が止まらない猫ちゃんが
焼いた刺身を 美味しそうに食べたこと。
高齢になったうさぎさんの誕生日を
ケーキでお祝いしたら
見たこともない顔で喜んでくれたこと。
いつも病院でシャイな鳥さんが元気になり、
おうちで陽気にお話したり、芸をすること。
抗がん剤で頑張っている子が
ごはんを食べてくれるようになったこと。
うさぎさんが断脚を乗り越えて
家族に支えられながら元気に過ごしたこと。
長年飼っていた子の死を乗り越えて
また新たな子をお迎えしたこと。


そんなエピソードを聞くたびに、
我がことのように嬉しくなりました。


臨床獣医師として11年。
紆余曲折ありましたが、
飼い主さんとそのペットが
笑顔になれるような時間が
少しでも増える手助けができたのなら
嬉しく思います。


半人前の自分から、
今まで私をサポートしてくださった
院長、副院長には感謝しきれません。
また、結婚、出産を経て職場復帰するにあたり、温かく迎えてくれた
過足さん、山道さん、根本さん。
ともに奮闘してくれた
松井先生、山本先生、門倉先生、宮澤先生。
アンドレ動物病院に新たな活力を
与えてくれている 野澤さん、関口さん。
そして、かつては同期として切磋琢磨し、
現在はママ友である、柳(旧姓 安納)さん。

本当にありがとうございました。


私は一旦動物病院の仕事から
離れてしまいますが、
これからも動物たちの健康と、
その飼い主様のご多幸を
心よりお祈りいたします。















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