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退職のご挨拶【獣医師 矢野更紗】2023年4月入社、2026年1月退職

こんにちは。
獣医師の矢野更紗です。
この度2026年1月をもちまして、一身上の都合により約3年間お世話になった

アンドレ動物病院を退職することになりました。

 

私は父の転勤により福岡・石川・東京・神奈川には住んだことがありましたが、就職するまで栃木にはご縁がありませんでした。
小学生の頃に飼っていたうさぎの「花」を動物病院で診てもらった時から獣医師に憧れ、(詳しくはスタッフコラム うさぎ と わたし PartⅡ【獣医師 矢野 更紗(やの さらさ)2023年4月入社】をご覧ください)将来はうさぎの診療もできる獣医師になりたいと思っていました。
獣医学生になってもその思いは変わらず、犬猫だけでなくウサギやハムスター等のエキゾチック動物も診療できる獣医師になりたいと思っており、就職先を決める際にいくつかの病院を見学・実習させていただきました。

その際に病院の雰囲気とスタッフ一人一人の動物たちへの情熱に感銘を受け、アンドレ動物病院に就職しました。

 

はじめは知識も技術も未熟で不慣れな点も多く、こんな私が診察していいのかと不安でいっぱいでした。

私の不安が飼い主の皆様にも伝わってしまい、ご心配をおかけしてしまったことも多々あったかと思います。

飼い主の皆様は大切な家族を助けるために当院を信頼して来てくださっているのに…となかなか期待に応えられない自分を不甲斐なく思ったことは数知れません。

 

私にとって診療は、毎日が冒険でした。
一難去ってまた一難、教科書通りにいかないことも多く、壁にぶつかるたびに

頭を抱え、力及ばず助けられない命を目の当たりにして心苦しくなりました。

命を扱う責任の重さに打ちのめされそうになることもありました。
それでも最期まで一生懸命生きる動物たちの姿と、飼い主の皆様からいただいた数々のお言葉に、私自身が何度も勇気をもらい支えられてきました。
治療がうまくいかなかった際でも、多くの飼い主様から「ありがとう」と言っていただけたことが、本当に救いでした。
時にはもうダメかと思う子が復活し、生きようとする力強さに感動したり、
リスクが高い手術の後にまだフラフラしている状態でもご飯を食べてくれたり、
飼い主様が献身的なお世話をしている姿に心を打たれ、私にできることは何かと考えたり…
思い出がたくさんできました。

もちろん獣医師として、動物たちを一人でも多く助けたい・苦しみを和らげたいという思いはありますが、状況によっては飼い主様が納得して死を迎えられるようサポートしていくことも獣医師の大きな役目だと強く感じるようになりました。

 

はじめは自信のなかった私も、先輩獣医師の治療を見て学び、少しずつ成長することができました。
私が診察した動物たちが治療により改善していく姿を見られることが増え、感謝の言葉をいただくことで、獣医師としてのやりがいと喜びを強く感じてきました。

具合の悪い動物たちをなんとか助けるために考えてきたことが実り、回復してくれたときの感動は忘れられません。至らぬ点も多々あったかと思いますが、飼い主様からの温かいお言葉が私にとって大きな励みでした。
獣医師として、一人でも多くの動物たちの苦しみを和らげ、飼い主様にこれで良かったと思っていただけていたら幸いです。

 

また、私の飼育していたうさぎの「花」は子宮疾患で避妊手術をした2年後、乳癌の肺転移で亡くなりました。私は当時、うさぎは子宮疾患が多いこと・早めに避妊すれば乳癌等の他の病気を予防できることを知りませんでした。

その経験から、私はうさぎの飼い主様に早めの避妊手術を検討していただけるよう伝えたいと思ってやってきました。

当院で避妊手術を受けていただいたうさぎたちの、病気の予防にも貢献できていたら光栄です。

 

また、院内で産まれたゴールデンハムスター(キンクマ)の「おんたま」を自宅にお迎えすることもできました。
飼ってみると仕草がとてもかわいらしく、身体は小さくても存在感があり、仕事から帰ってくると部屋から出てきてくれて癒されました。
しかし、ある日部屋を掃除すると血痕があり、抱っこしてみると直腸脱(肛門から腸が出る)を起こしていました。

直腸脱は助かることが少ないことは理解していましたが、次の日病院で手術中に亡くなり、突然いなくなってしまう喪失感を味わいました。
小動物を診療している中で突然亡くなってしまうことは身をもって経験しているのですが、やはり飼い主としてはショックであり、飼い主様の痛みに寄り添いながら診療していきたいと改めて感じる出来事でした。

 

私がこれまで続けてこられたのは、院長、副院長と、スタッフのおかげです。
心優しく明るい後輩と、困ったときいつも優しくフォローしてくださった先生方、細かなサポートをずっと続けてくださった看護師さんたち、獣医師の診療に対する考え方や心構えを教えてくださった院長と副院長には、感謝の気持ちでいっぱいです。
そして院内動物のなめこ、ちょんくん、もるぞう、ハムスターたち。

それまで飼ったことのなかった動物と触れ合うことで、学べたことがたくさんありました。
これまでアンドレ動物病院に出会えて、かけがえのない時間を過ごすことができて、本当に幸せでした。
そして私の診療を頼りにしてくださった飼い主様と動物たち、本当にありがとうございました。少しでもお力になれていたら嬉しいです。

今後は栃木を離れますが、アンドレ動物病院で学んだことを今後の糧として、精進してまいります。
これからも飼い主様と動物たちのご健康とご回復をお祈り申し上げます。
ありがとうございました。

 

獣医師 矢野更紗

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